
こんにちは、れいかです。
今回は遊郭の花魁のハナシ第2弾です。第1弾については、先日このようなツイートをしました。
鬼滅の刃にも登場する遊郭の少女達「禿(かむろ)」とは❓
花魁の下について小間使いとして働きながら、遊女としての立ち居振る舞いを学びます👘
禿は女郎屋で売られて来た少女
華やかな花魁も皆、禿からスタートしたわけです
詳しくはブログでお会いしましょう
https://t.co/0dRhPnFCz0— れいか (@kgr_reika) January 5, 2022
前回は幼少時代【禿かむろ】のハナシ。
今回は次のステップである「新造」という身分で、床入りデビューまでを解説します。
※このブログの内容は、幕末の吉原遊郭のハナシです。
この記事の内容
こんな人へ向けて書いています。
- 遊郭のことを知りたい。
- 花魁になるまでの道のりを知りたい。
この記事を書いている私は・・
遊郭は格差社会そのもの 人生が変わる分かれ道、二つの新造とは?
少し前回のおさらいです。
新造に上がる前の身分は
「禿かむろ」という位でした。
花魁の下で小間使いをやりながら、遊女としての立ち居振る舞いを学びます。
禿の中には、花魁候補である「引き込み禿」がいまして、上級遊女になるための英才教育を受けます。
禿の身分は15歳くらいまで続きます。
この年季を終えると次のステップ「新造」に上がるわけです。
さて新造は大まかに、この様に分かれます。
- 引き込み禿 → 振袖新造になる。
- そうでない禿 → 留袖新郎になる。
結論から言いますが・・
留袖新造 → 中級遊女までしかなれない。
遊郭は格差社会そのものなのです。
次の章は、初めに振袖新造を解説します。
花魁までの道。【振袖新造】
ネット上で出回っている写真ですが、ウィキペディアからの出典になります。
【写真の説明】
姉女郎の側に付いて、写真まで一緒に撮らせてもらえるのは引き込み禿ならでは。
つまり次は振袖新造となり
将来の上級の花魁候補という事です。
ちなみに右側は遣り手という世話役で”元遊女”
イマイチ引き込み禿がわからない方は
前回の記事を読んでおきましょう。

【振袖新造がやること。】
- 姉女郎に付いて接客のノウハウを学ぶ。
- 姉女郎の客が被った時に代わりに客の相手をする。※
- 引き続き英才教育が続く。
※新造の身分では床入りを許されていないので
客は手を出せません。
17歳を迎えた「水揚げ」が終わるまで
客を取ることは許されませんでした。
こうして姉女郎や楼主たちは、お金と時間をかけて振袖新造を上級遊女へと育てて行きます。
水揚げについては後述しますね。
次は留袖新造です。いよいよ遊郭においての格差が顕著となって行きます。
上級の遊女になれない【留袖新造】は15歳で処女喪失
花魁候補から落ちた留袖新造ですが
のっけから大きな格差社会の中で暮らして行きます。
留袖新造は
- 15歳で床入り
- 上級遊女(呼出・昼三)にはなれない。
これは大いに病みそうですね。
振袖新造は処女を17歳まで守れますが
留袖新造は15歳で処女喪失して客を取ります。
2年の違いは、この世代の少女たちにとって大きいものです。
ちなみにこの時代は、14歳前後で成人の祝いを行っていました。一応の大人扱いという事でしょうか・・。
禿時代からの格差
客を取るとは言え、留袖新造も幼さと教育不足で、まだ完全に独り立ち出来ません。
しばらくは姉女郎に付いていますが
中には18歳になっても独り立ちが出来ない遊女も多くいました。
【花魁(上級遊女)の条件】
- 遊郭に売られてきた年齢は10歳未満である。
- 見目麗しい
- 「教養を叩き込める」と楼主たちのお眼鏡に叶う
振袖新造はこれらの条件をクリアしています。
残念ながら留袖新造には条件がほとんど揃っていません。
酷なことを言いますが
妓楼にはそれに見合った遊女選んで育てる使命があります。
ここまでをざっくりまとめると
水揚げの年季(15歳くらい)までしっかり接客のノウハウを仕込まれる。
つまり重い借金になるが、お金と時間をかけて面倒を見てもらう。
教育も不十分なまま15歳で床入りさせられる。
上級遊女にはなれない。
こうして留袖新造との格差は
年を重ねるごとに開いて行くわけでした。
17歳で処女喪失 振袖新造の水揚げとは?
さて、振袖新造の水揚げです。
新造の年季を勤め上げ、いよいよ客と床入りするわけです。
しかし、それまで性交経験が無かった少女が
いきなりセックスなんて出来ませんよね。
遊女の初めての床入りを水揚げと言います。
水揚げをするのは楼主や妓楼の若い衆ではありません。廓の秩序を守るためにそれは御法度とされていました。
初めてのお客になる人はきちんと選ぶ必要があります。大切な商品を丁重に扱ってくれる上客でないといけません。
水揚げ客の条件
妓楼によって専属の水揚げの男もいた様ですが、手を挙げれば誰でもなれるものではありませんでした。
- 40歳代くらいで女の扱いに慣れている。
- 馴染みの太客。
順に解説します。
40歳代くらいで女の扱いに慣れている。
若いと経験も浅く乱暴であることから
経験豊富な中年に頼んでいました。
若いお客さんは風俗嬢に敬遠されがちですが、この時代からすでにあったのですね。
そうなんですよ。経験が少ない若い男性はAVを手本にするし、チカラ加減を知らないし・・。
私も中年の優しいお客さんが好きでしたね。
水揚げは馴染みの太客で。
水揚げにはお金がかかりまして、寝具一式を送る決まりがあります。
処女を貰い受けて最初のお客となる人は
それを用いて一緒に床入りします。
三枚重ねの敷布団と夜着一枚だけですが、これがまた高価で・・今の価値で言うと、高級車を新車で一台買える金額だったと言います。
豪商や大名などの大金持ちじゃないと務まりませんね。
また水揚げ客になることは、ステータスの一つにもなるので見栄のために買って出る男性もいました。
女はセックスに慣れるまで時間がかかる
女性ならわかると思うのですが
処女喪失の一度のセックスで体が慣れるわけではありませんよね。
行為の翌日は自転車のサドルに座るのが痛かったものです。
マジで立ち漕ぎ必須でした。
新造時代は、道具を使って膣を拡げる作業もやっていた様です。しかしこっちの方が痛い気がしますね。
現代のようなシリコン性のバイブなんてありませんし。ローションもありません。
いよいよデビュー!お披露目道中で新人告知
※写真は現代の浅草花魁道中イベント
さて水揚げも済んで、いよいよデビュー。
次はお披露目イベントです。
楼主、水揚げ客、世話役の姉女郎などが一緒に道中を行います。
道中は大変お金がかかります。費用は世話役の姉女郎持ちですがお客に出してもらう事もありました。
留袖新造は お披露目道中をしない
そんなわけで、お披露目道中は留袖新造の身分ではやりません。水揚げの後はすぐに見世の張り出しに向かいます。
難しいですが、中級の附け廻しという階級までなら行けます。
ただし附け廻しは花魁道中は行えないので、一生道中には参加できない遊女がほとんどという事になります。
とはいえ、花魁道中なんて莫大なお金がかかって遊女の借金が増えるだけです。
【補足】遊女の階級
冒頭でも伝えましたが、この記事は幕末の吉原遊廓での階級になります。
遊女の階級は
上級 (花魁) | 呼出し |
上級 (花魁) | 昼三 |
中級 (花魁) | 附け廻し |
中級 | 座敷持ち |
下級 | 部屋持ち |
下級 | 局女郎 |
附け廻し以上が花魁と呼ばれます。
青文字の上3段ですね。
ただし、附け廻しは花魁道中は出来ません。
- 「昼三」「呼出し」は上級花魁で、振袖新造出身だけが成れます。
- 振袖新造は突き出しの後、一本立ちしたら「座敷持ち」からスタート。
- 留袖新造は最下層からのスタートです。
幕末はこのように階級が簡素化しましたが
時代を遡るともっと細かい階級わけになっていました。
まとめ 上級花魁への道
いかがでしたか?ざっくりまとめますと
- 15歳の年季を迎えた禿は、大きく分けて振袖新造、留袖新造となる。
- 振袖新造は花魁候補。姉女郎にサポートされながら接客のノウハウを学ぶ。
- 留袖新造は15歳ですぐに床入りさせられる。禿時代に容姿や才能を認めてもらえず、十分な教育も受けないまま客を取らされた。
この様な大きな格差で、留袖新造が中級の附け廻しまでランクをアップするのは大変だったでしょう。
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最後まで読んでくれてありがとうございます。
鬼滅の刃で遊郭が気になっている人も多いでしょう。
また、ドラマや漫画の花魁の華やかさだけしか知らない人は、遊女に憧れてしまう勘違いも引き起こしがちです。
この記事を読んで少しは知識を深められたのなら幸いです。
篝れいか